失う事で大切だと実感できる
先日出汁をとらず味噌だけ溶いて味噌汁を作ってみました。
出汁って大事ですね。
なぜそんな事をしたかと言うと漫画を読んでいたら味噌という調味料が美味しすぎる調味料、とあったので出汁無しの味噌汁でもいけるのではないかと作ってみた次第です。
タイトルは大仰ですが、内容はこんなです。
ようやく頭痛も収まってきました。
恐らく気温が25度近くまで上がる時期が頭痛が収まる目安みたいです。
ここ2ヵ月ほど仕事や作業はしていたものの隙があると横になっていたので、健康な体がどんなにすばらしいか改めて実感できました。
次の楽曲分析の曲で迷っていたのですが、バロック音楽の前にラグリマで一度レッスンを受けようかと。
理由は4つ。
1.17-18世紀のフランスとドイツ地域の政治・宗教・音楽・舞踏について調べる時間を稼ぐため。
2.ド・ヴィゼーの組曲ニ短調のサラバンドと比較するためのバッハのリュート組曲BWV997ハ短調のサラバンドを1回リュートの楽譜?である2段譜で作り、それをイ短調に移し1段譜にする時間を稼ぐため。
3.音に対する感度を高めるため。
4.3が楽しそうだから。
作業が遅いのを披露するようで少し情けないですが、1と2はご理解頂けると思います。
3はよくわからない方も多いのではないかと。
きっかけは先日のトロイメライの分析発表で行った転回形の弾きわけや、その調の導音がない属和音(調の導音=属和音の第3音)への導音の挿入。
基本形と第1転回形でどう違うのかを先生に弾き比べて頂き、来て下さった方々にその違いを体験してもらったりという試み。
レッスンでもやって頂き、それを動画で撮り繰り返し聴いていたのですが、会場で体験した時だけ体がぞわぞわっと反応したのですね。
動画を繰り返し聴いていて一応違いはわかったのですが、それが体に反応を及ぼすということは無かったのでびっくりしました。
ホールの響き、音圧、集中力、体調、音を受ける位置、様々な要素があるのでしょうが、それが結構な快感でもう一度味わいたい!と思ってしまったんですね。
上に挙げた要素が無くても常にそれを味わうためには、自分の音に対する感度を上げるしかないと。
漫画「将太の寿司」でライバルの佐治さんがお寺で修業し、汁物に入っている塩が2粒だか3粒と当てられるようになったように。
いや漫画ばっかり読んでいるわけではないのです…
それにはどうしたら良いか。
先生がいつもレッスンでやって下さっているように、オリジナルと転回形を変えたり、その音が来るタイミングをずらしたりして弾き比べるのを繰り返す事が有効なのではないか。
初めは聞き慣れていない曲でそれを試行するより身近な曲が適している、では最適解は何か。
それでラグリマが浮かびました。
丁度そんな事を考えている時、ジャズギターを弾いている生徒さんがラグリマを弾いていて、その方のレッスンで「完成したらジャズアレンジをしてみませんか」そんな軽口を叩き、実際少し取り組んでみたら面白かった、ということも選曲理由の一つです。
その方は「こんな完成された曲で恐れ多いです」と辞退されたのですが、冒涜的な私が試してしまいました。
ジャズアレンジではないですが和音を変えたり。
ラグリマの1小節2拍目は経過和音でこの小節はホ長調の主和音で構成されています。
第3音の無い属7の和音と捉える事も可能かもしれません。
2拍目を完全に属和音にするために内声をシではなく、属和音の第3音のレ#にしたら(属7第2転回形 根音省略)少し重くなり、「あー、ここはシだから音が軽く流れるんだ」とその大切さを実感しました。
レ#にすると次の内声はミが来るのが良いかも、とまた音を変えると印象が変わります。
それをするとⅠ-Ⅴ-Ⅰと、1小節で2回和音が変わる事になります。
その変化は楽しいものの、やはりオリジナルの1つの和音での構成がスッキリしていて好きです。
Ⅰの和音のみという「単一の和音での構成」を失わせることで、その良さを今までより実感できました。
他にもラグリマは並行(複数の声部が同じ方向に動く)が多く、反行(複数の声部が異なる方向に動く)が極端にと言って良いくらい少ない曲です。
※斜行(片方の声部は動かず、もう1方だけ動く)というのもありますが、ちょっと置いておきます。
並行の動きは一体感があり、反行は美しいと感じる音の動きをすると言われております。
しかし、知識と体感は違います。
トロイメライを学んだ時、最後の「ソラシレ」という同じメロディーにおいて、下につく音が1回目は反行でヘ長調、2回目は並行でト短調となっている部分があり、これがわかりやすくて「なるほど!確かに!」とその違いを体感できました。
赤が反行、青が並行の動きです。
そんな訳で今回かなり強引ではありますが、ラグリマの並行部を無理やり反行にしてみます。
並行構造を失ったラグリマの旋律はどう変わるのか、音の流れはどう感じるか、一応こうなるのではないだろうかという予見はしているのですが実際やってみないとわからないですね。
他にも転回形を変えたり、拍を半拍ずらしたり色々試してみます。
やっていることはアレンジしていると言えなくもないですが、好きなおもちゃを分解して無理矢理改造しようとしている子供のようなものですかね。
そんな事をしつつバロック音楽の下準備をしているのですが、クラシックギタリストの鈴木大介さんがバッハの曲でとても面白い事をしていたのでご興味のある方は下の記事を見てみてください。
この試み、細かい事は知りませんでしたが、ちらっと噂には聞いていました。
でも実際にやっている方は初めて見ました。
実はみんなやっているのかなあ。
費やす膨大な時間を考えると恐ろしくなります。
そんなものを見せられたら楽しそうで、試してみたくなり余計に時間がかかってしまうではないですか!
どう演奏に活きるのか生で聴いてみたくなりますねー。
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