春は私を狂わせる ※楽譜の一部を修正しました。
昨日のレッスンでカルカッシの25のエチュード第1番を弾いている方が35小節3-4拍目の和音に特別な響きを感じる、と教えて下さりました。
下の和音です。なんか映り込んでいますがお気になさらないでください。
ここはハ長調なのでこの和音はⅡの和音(Dm)第1転回形となります。
ハ長調のⅡの和音は根音レ 第3音ファ 第5音ラで構成され、最低音がレだと基本形、ファだと第1転回形、ラだと第2転回形となります。
それでこの35小節3-4拍目の和音はⅡの最適配置と呼ばれます。
条件はⅡの第1転回形・根音高位(ハ長調だと一番高い音がレ)・密集配分、第3音(レファラだとファ)が最低音であるバスと2番目に低いテノールにオクターブを作る形で配置される(曲ではテノールが省略されることもある)。
密集配分とか開離配分はこちらがわかりやすいでしょうか。
簡単に説明すると密集配分は上3声と呼ばれる最低音以外の音が、一番近い和音構成音同士仲良く並んでオクターブ内にいる。
開離配分は和音の構成音の一番近い音は飛ばして2番目に近い音を重ねていく。
開離配分は音同士ちょっと隙間がありますね。
このⅡの最適配置はとても響きが良く、逆に響きすぎていくつかの和音を弾いていった時、そこだけ想定より大きく鳴ってしまった経験があります。
だからこれを弾く時はちょっと気を遣ったり。
これに気が付いた方は過去に別の教室で少しレッスン経験はあるものの、うちに来てまだ数か月。
カデンツや曲の転調部には何調に転調と楽譜に書いて、和声、調性感を高められたらと思っていましたが言われた時はびっくりしました。
良く聞き、和音や調を感じながら練習している努力のお陰ですね。
カルカッシのエチュードの1番はうちの教室ではほぼ必ず課題曲になるのですが、ここを指摘した方は初めてだったと思います。
素晴らしい!パチパチパチ。
その方がレッスンの終わりに「カルカッシのエチュードはつまらない」と言う人もいると教えて下さりました。
そう思う方がいるのは仕方ないというか、色々な考えを持つ方がいて当然なので「つまらない」と考えるのも正しいです。
私のように講師を務める立場の人間はそれではだめで、それでも何かその曲の面白さを伝える努力をしなければいけないです。
昨日そう思い立ち、本日そういう事が伝えられるような手段はないものか、やってやるぞー!と悪戦苦闘していました。
自分はこのエチュード第1番のどんな所を面白いと思うか、それを問い、そういった事を書き込む楽譜を作る事にしました。
午前10時に始め15:30までご飯も食べずほぼぶっ続けで作って出来た楽譜がこちら。
こちら楽譜の一部を修正しました。
理由はこちらをご覧ください。
これは読む気を無くす奴ですね…狂気の沙汰や!
流石にレッスンでも使えないだろうし、疲労だけが残り呆然としています。
楽しさを伝えるって難しいなあ。
昼寝して練習します…
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