5月25日の台本打ち合わせ

5月25日の「アナリーゼとそれを演奏表現にどう活かすか」をテーマにした発表の台本の下書きが完成し本日作曲の先生と打ち合わせ。

左が会場配布用、真ん中が台本、右は自分の演奏用分析譜。
DSC_3183.jpg
他に原曲のハ短調とギター用1段譜のレッスン用楽譜も最初に作ったし、1曲に何パターンの楽譜を作ってるんだろ…

会場配布用の楽譜は当日説明する内容以外はかなり削除し、読みやすくなるよう努めました。
当日説明するテーマは最終的に3つのうち2つを選ぶ事にしていましたが、先生に的確なご意見を頂きまとまりました。
具体的なテーマは
1.部分動機(音程的動機、リズム的動機)の分析から作曲家の想定する旋律を浮き上がらせる
2.最低音、最高音に注目した和音構成音の配置による音の響かせ方
小さな変更はあるかもしれませんがこちらで完全台本を作っていきます。

今回ちょっと時間が余ったので倍音についてお話していたら先生が琴をわざわざ持ち出してくださり、琴の倍音を聞かせてくれました。
スペクトロイドというスマートフォン用のスペクトラムアナライザのアプリで周波数を調べさせて頂きました。
このサービス精神を見習わねば。

他にもピアノの倍音や共鳴音を調べたり。
ピアノの低いミを押さえた状態でソ♯やシを弾くとかなり共鳴しました。
そしてギターの低音開放弦は常にこれに近い状態なんだ、と合点がいきました。
そりゃあ対処しないと大変だなあ、と自分の現在目指している事が間違いではないと再確認。

共鳴音は消音すれば良いのですが倍音が…

スペクトロイドで調べたら、今研究している倍音のコントロールというのが限定的ではありますが琴でも出来そうで面白かったです。

倍音のコントロール。
果たしてできるかわかりませんが、現時点ではこのように進めています。

こちらA(ラ)=440Hzの音叉を鳴らした時の周波数。
SpectralissimeというWindows用のフリーソフトを本日ダウンロードし、キャプチャ動画を動画編集用ソフトで再生。
理由は0.02秒単位で時間経過毎の周波数を確認できるからです。
さすが音叉。綺麗に山になっています。
縦軸の単位が音圧を表す単位db(デシベル)。横軸の単位が周波数を表すHz(ヘルツ)。
音叉.png
山の頂上から縦に走った白いラインが440Hzの周波数帯。

こちらは音叉と同じ440Hzのギター1弦5フレット「ラ」を弾いた瞬間の周波数。2-6弦は消音しています。
きちんとしたマイクも使っておらず音叉と同じ位置で弾くため、立って片足を椅子に乗せて弾いたので少し音程が変わってしまったかも。
だから画像の周波数の数字は理論値です。
音叉と違って山が沢山あります。
この山の頂点それぞれが一弦5フレット「ラ」を鳴らして発生する倍音です。
2640Hzミと3520Hzラの間にソがありますが省略しました。
ギター、弦、爪の形や硬さ、部屋の音響、温度や湿度、様々な要素により変わります。

440Hzのラを鳴らしたグラフですが、それよりも高い880Hzのラや同じくらいの高さの山も右側に見えます。
聞こえるのはほぼ440Hzのラ。
しかし音叉と違うこれらの各山の倍音によりギターの音色としての1弦ラが作られています。
3520Hzのラより右に結構色々な音程が詰まっています。

さて、ここから0.02秒ずつ進めて見ていきましょう。山が尖り高くなりました。
音量も少し上がったのかな。まだソフトを入れて一日目なので見方を理解していない点も多々あり、間違っていたら申し訳ございません。
撥弦後0.02秒後
1弦ラサウンドホール0.02.png

0.04秒後。ここで最大音量に達したかも。
画面の数字が前の18;25から18;26になったので0.01秒単位ですすんでいるのでは?と思うかもしれません。
この数字が;29から30になるタイミングで秒数が変わるので0.02秒単位で刻んでるのかなと推測しました。
1弦ラサウンドホール0.04.png

0.06秒後
1弦ラサウンドホール0.06.png

ちょっと進んで発音1秒後。
2-6弦を消音しているのでこうなりましたが、していないともう少し倍音が残ったと思います。
440Hzの左の小さな山はパソコンの発するノイズかも。
1弦ラサウンドホール1秒後.png

次は別の場所で撥弦した1弦5フレット「ラ」発音直後。
明らかに鳴らした実音が抑えられ、高次倍音の方が大きく鳴っています。
ここまでとは思っていませんでしたが、ある程度計算して倍音のコントロールはしています。
1弦ラ12F.png

0.02秒後
鳴らした音(白いライン)の山の頂が出来ましたがやはり高次倍音の方が大きい。
でも聞こえるのはほぼ白いラインの440Hzのラ。
1弦ラ12F0.02.png

この時発音したラの音圧、周波数の0.02秒ごとの推移を動画にしました。
時間経過とともに減衰するのではなく、音圧が下がって上がってを繰り返して減衰している。
部屋の音響や発音位置でこうなった可能性もありますが、聞こえ方としてなんとなく納得がいくかも。
部屋の音響のせいかな。


次はまた別の場所で弾いた440Hz「ラ」。
鳴らした白い周波数付近が一番高く、やはり倍音の配分が異なります。
1弦ラブリッジ.png


最後に1弦5フレット「ラ」を右手の位置を変え、3か所で弾いた直後の周波数画像3つ。
多分0.02秒単位よりもっと細かく見ていかないといけませんがこれが私の限界。
やはりパッと見ると真ん中が特徴的ですね。
3パターン.jpg



倍音のコントロールが可能か、倍音が音色に関わるというのを可視化できないかと思い、スペクトラムアナライザを試してみましたがかなり有効そうです。
ただ、このソフトは最も細かい周波数の横軸の目盛りは1オクターブを24にわけたもの。
音楽で使う音程のような細かい周波数を調べるのには向いておりません。
それでもフリーソフトでこれは有難いですし、スペクトラムアナライザは本来こういった音楽的な用途のために作られたのではないようなので当然と言えば当然ですね。
電気信号や電波の周波数を重点的に確認するため開発された様です。
機械は得意ではないですし、理論事態間違っていて挫折する可能性も高いですが、こちらを使っての倍音の研究をもう少し進めてみます。

最後にスマートフォンのスペクトロイドの画像。
上が1弦5フレット「ラ」。下がA=440の音叉の周波数。
残念ながら周波数の目盛りに440がないので439Hzが反応しているようです。
他も同様に近似目盛りがグラフの山を作っている。
上1弦ラ下音叉.jpg

これは広告も無く使いやすいです。
会場の響きを聴くのに便利かも。
あと楽器を試奏する時にも使えるかもしれません。

倍音列と周波数をある程度覚えなければいけないかもしれませんが。

それなりに頑張っていますが、頭が良くないので倍音についてはあまり期待せず見守ってください。

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