J.S.バッハ作曲 リュート組曲第2番よりサラバンド 5月25日「春のコンサート」アナリーゼ発表再現 ※参考資料追記しました
アナリーゼとは、曲を様式、調性、和声、音型、リズム、作曲技法と言った、様々な角度から分析し、それを元に演奏表現を作っていく、というものです。
説明用の楽譜を使いながら、この場で、「曲の分析をし、それをどう演奏表現に結び付けたか」2つのテーマを元に説明致します。
青く色のついた文字、カッコが今回説明する内容に関する箇所なので、説明箇所を探すときはその青い字・記号を目印にしてみてください。
それでは今から分析と演奏表現について説明していきます。
1つ目のテーマは「和音の構造」となります。
まず、この曲の最初からほぼ7小節に渡って続く、楽譜下段低音の「ラ」について考えていきたいと思います。
この「ラ」の音はイ短調の中心となる音「主音」と呼ばれる音です。
音階や作曲技法では、この「主音」はその調で最も安定した音、として配置される事が多いです。
唐突ですが、絵本やアニメのアンパンマンに例えるなら、主音は主役のアンパンマンにあたるかと思います。
この主音で始まったり、終わる事で、曲が落ち着いて始まったり、まとまりを持って終えられます。
また、「今から弾く曲はこの調の曲ですよ」と主音を低音で繰り返し鳴らし、聞く人にその調の特徴・響きに慣れてもらう、安定して落ち着いた雰囲気を感じてもらう、そういった目的の作曲技法も存在します。
これを「主音の保続」と呼び、今回の曲の1-7小節はまさにその作曲技法が使われております。
オルガンポイント、或いはオルゲルプンクトと呼ぶ方もいますが、この言葉が指し示す対象が人によって違う場合があるので、
また、高音保続、内声保続なども時代によっては存在するため、
私は「主音の低音保続」と呼ぶことにしています。
時代によっては属音の低音保続もあります。
古典派の時代の長調の曲に序曲が付く場合、それは同主短調で書かれ、この属音の低音保続が使われることも多いように感じます。
それにより主音の低音保続とは逆の、緊張感が出てきます。
私はこの属音の低音保続を見ると映画「ジョーズ」の鮫が徐々に迫ってくるシーンが浮かびます。
それでは実際に「主音の低音保続」がどう聞こえるか、最初から8小節目まで弾いてみましょう。
初めに低音「ラ」を何回か弾いてから演奏を始めます。
なお、2小節目から3小節1拍目は、低い音が1小節目の「主題」の模倣として低音で旋律を奏でています
そのため、低音に主音「ラ」以外の音も出てきます。
皆様主音「ラ」の音が、「低音で鳴り続けることにより生まれる雰囲気」が感じられたでしょうか。
例えば3小節目、ここは和音がイ短調の属和音ミソ♯シレが当てはまるので、本来、低い音はラではなくミが相応しいかもしれません。
属和音とは少し不安定な響きを持つ重要な和音です。
主音を中心として構成される、安定した和音、「主和音」とセットで使われる事も多いです。
アンパンマンで例えるなら主和音がアンパンマンや食パンマンチーム。
属和音がバイキンマンやドキンちゃんチーム、と言えるでしょうか。
バイキンマン達が出てこないとアンパンマンのお話は少し退屈なものになってしまうかもしれません。
そういう意味で属和音はとても重要な和音です。
その少し不安定な属和音の低音が、安定的な主音「ラ」で保続されている。
言ってみればバイキンマンチームが一時的に少しだけ改心し、アンパンマンと仲良くなった状態かもしれません。
それではこれから、1小節目から4小節目の最初まで弾き比べをしてみましょう。
1回目は3小節2-3拍目を楽譜通り低音はラ、 2回目は低音がミとなります。
主音「ラ」で低音保続がなされた属和音(動画14秒あたり)と、低音が本来の相応しい音「ミ」になっている属和音(36秒あたり)。
響きに違いが感じられるでしょうか。
※音質の問題でこちらは動画を差し替えました。
2つのパターンの低音がもたらす雰囲気、いかがだったでしょうか。
私はこの主音の低音保続により、安定、落ち着いて優雅な雰囲気を感じたので、音の大きさや音色、和音の弾き方を工夫しました。
具体的に言うと、音の大きさは大きくなく、しかし2拍目最高音シは少し響くように弦をはじく場所を調整する。
音色は輪郭を保つ範囲で柔らかめ。
和音は、ギターと言う楽器で考慮しなければいけない余計な共鳴音を消音し、記譜上の和音の響きにできるだけ近づくように心がけました。
低音がミだったならば、その弾き方は少し変化したものになります。
ただし、主音の低音保続だからと、あまり安定、安定、と考えて弾くとテンポが遅くなり過ぎたり、変化に乏しくなってしまいます。
主音の低音保続だけでなく、
「色々な視点」
から曲を見つめ、演奏表現を作る必要があります。
そのあたりは説明用の楽譜ではなく、分析譜をご覧頂くと良いかもしれません。
※以下は当日、時間的都合で省略した箇所です。
「色々な視点」の例を挙げてみましょう。
先ほど、1-8小節、低音に注目しながら聴いて頂いたと思います。
4小節目で低音が途切れ「おやっ?」と思った方もいたかもしれません。
説明用楽譜の4小節目の下段、青い4分休符が2つ並んでいると思います。
何故ここは低音ラがお休みになるよう、休符があるのでしょう?
皆様、その理由について何かアイディアはあるでしょうか。
ちょっとした推理ゲームのような感じですね。
分析譜の4小節目の下にも書きましたが、私はその理由を
低音が無い理由は2拍目表拍で1小節からの流れが終わり、5小節目からの新しい展開に順次上行で軽快に向かうためが1点。
安定的な低音の主音が無くなり、枷が外れたように前に向かいやすく、またそうしたくなる。
もう1点は5小節から6小節1拍目、下属調ニ短調からの借用和音が使われ調性が揺らぐ。
イ短調らしさを出す低音ラを休みにする事で、その「調性の揺らぎ」を奏者やそれを聴く人に伝えるためではないか。
と考えました。
正解はバッハにしかわかりません。
しかし、そう考えたらこの4小節から5小節にかけて、自分でも満足できる演奏表現が出来ました。
それは「共鳴音を消音せず、それを利用して押し出すように、あるいは膨らむように音を前に前に上行させていく」というものです。
また1ー4小節で弾き比べをしてみましょう。
9小節目からははっきりとした転調もあり、この主音の保続が解除されます。
その後どんな風に聞こえるか、後ほど通し演奏をしますのでぜひご注目下さい。
演奏に於いて、この「動機」を理解する事はとても重要です。
動機には比較的長い、2小節単位で区分されることの多い、小節的動機。
その小節的動機を音程やリズムと言った特徴から更に細かく区分する部分動機があります。
また、小節的動機を2つ合わせ、小楽節。
更にそれを2つ合わせ、大楽節、といった大きな区分も存在します。
今回の曲でわかりやすい箇所を挙げてみましょう。
説明譜2ページ目上段、青字で「A-b-1」と書いてある、
9-12小節目のまとまりが小楽節。
9-10小節、あるいは11-12小節のまとまりが小節的動機。
それを構成するg、h、iがそれぞれ独立した部分動機になります。
皆様に親しみのある「ちょうちょ」と言う曲で説明するならば、
「ちょうちょ ちょうちょ なのはに とまれ」が小楽節。
「ちょうちょ ちょうちょ」と「なのはに とまれ」が2つの小節的動機。
「ちょうちょ」「ちょうちょ」「なのはに」「とまれ」が4つの部分動機となります。
例えば「今日は良い天気だから、公園に行こう。」という文。
この文全体が小楽節だとすると、ある程度意味の分かる「今日は良い天気だから」と「公園に行こう」が2つの小節的動機。
「今日は」「良い」「天気」といった単語や、それに近いものが部分動機に当たるとお考え下さい。
今回はバロック時代の曲において、特に重要な部分動機の視点からこの曲を少しだけ見てみましょう。
まず1小節目主題をa「ラシドシ」とb「ラソ♯ラレ(レ)」の部分動機に分けました。
しかしここはa+bで1つの意味を持つ主題です。
aとbが分かれて聞こえる事の無いよう、繋げて弾きたいと感じます。
では、なぜ分けたかと言うと、特にこの曲の前半、動機aが少し形を変え、独立して頻繁に使用されるからです。
例えば説明譜1ページ下段、4小節1拍目のa逆行縮小と書いてある音を見てみましょう。
ここは「シドシラ」という音が並んでいます。
次に、先ほどの1小節目の動機aを音の長さは気にせず、最後の音から最初の音に向かって読むと、同じく「シドシラ」となります。
不思議ですが、4小節目と同じ音の並びですね。
この様に、前に出てきた音のグループを、最後の音から最初の音に向かって並べることを「逆行」と呼びます。
他にも音の長さを短くする「縮小」、長くする「拡大」、上下逆に動かす「反転または反行」など、一度出てきた音の連なりが、その後、形を変えて曲の中に使われることが、バッハが生きたバロック時代の曲には多くみられます。
7、8小節目、いくつか見られるa反転やその縮小というのもこれにあたります。
文章で言う「単語」にあてはまる「部分動機」を見つけ、それを意識して演奏する。
すると、意味を成す「音のグループ」が明確になり、旋律をより理解し演奏出来たり、聴く人にわかりやすく曲の魅力を伝えられたりします。
実は、私はこの曲を弾き始めた当初、4小節目のシドシラの前にある1拍目最初の青い「ド」の音も含めて1つの動機とし捉えて「ドシドシラ」と弾いていました。
しかし、そうではなく、この「ド」は前の動機の終わりであり、「シドシラ」はaの逆行的動機、それぞれ別の動機に分類されるとわかりました。
そして、ここは「ド」と「シドシラ」で分けて弾くべきだと判断し、4小節1拍目「ド」を動機の終わりを示すためやや弱く、
次のシドシラの開始の「シ」を少しだけ伸ばし、そこから前に向かう事によりそれぞれが別の動機として聞こえるよう工夫しました。
それでは3小節目から問題の4小節目にかけて「ド」と「シドシラ」を1回目は分けて(動画6秒あたり)、2回目は繋げて(26秒あたり)弾いてみましょう。
どんな聞こえ方がするでしょうか。
いかがだったでしょうか。
「ドシドシラ」と1つのグループとして弾くのが良い、と感じる方もいるかもしれません。
そう思っても何の問題もない事です。
感じ方は人それぞれで、色々な弾き方ができる、というのも音楽の楽しさの一つですから。
どちらが正しいという事を決めるより、「自分はこちらの表現が好きだ」という自分の好みの演奏表現を見つけることが大事だと思います。
皆様、貴重なお時間を使いここまで読み進めてくださり誠にありがとうございます。
これでアナリーゼの発表再現を終わります。
少しでも「アナリーゼ」、弾く曲を様々な角度から分析し、演奏表現に繋げるという分野にご興味を持って下さる方がいましたら大変嬉しく思います。
最後に今回のサラバンドを演奏致します。
完全には無理ですが、分析譜に書いてある内容をできるだけ再現しよう、と考えながら演奏致しました。
ご清聴ありがとうございました。
【終わりに】
私はJ.S.バッハの曲を一度もギターで習った事がありませんでした。
ピアノではインベンションを3曲ほど習いました。
ギターでレッスンを受けなかったのは、嫌いだったからではありません。
好きすぎて、その作品を、バッハらしい雰囲気で弾けなかったらどうしよう、という恐怖があったというのが大きな理由です。
もちろん、習った事がないだけでギターで弾いたことはありますし、生徒さんがバッハの曲を弾き、2つのコンクールで金賞を受賞したこともあるので
多少はバッハらしさをわかっていた可能性もありますが。
しかし習った事がない、というのは大きな問題だと自分でも感じていました。
東京音大生だった頃、バイオリンをはじめ他の楽器の方々がオーケストラの練習をしている時間、ギター専攻の私達は最初の2年間テレマンの「2本のフルートのためのソナタ」を中心にギター2重奏でアンサンブルのレッスンを受けていました。
3回生になり、その時間は古典、ロマン派を中心とした他楽器とのアンサンブルに切り替わりました。
なぜフルートの曲かと言うと、担当の先生がフルート科の教授だったからです。
それは非常に大きな経験となりました。
ドイツ地方出身でヘンデルの友人であり、バッハの息子の名付け親にもなったテレマンの曲ですので、その経験はかなり今回の曲にも影響が合ったと思います。
しかし、それでもバッハをギターで習った事が無いという事実。
そういった経緯があり、バッハの曲の分析発表など果たしてできるのか不安でしたが、
ご指導くださった木村先生のお陰で無事に形になり、大変感謝しております。
心からお礼申し上げます。
本当にありがとうございます。
更に言えば、クラシック音楽に惹かれて言った際、
作曲家の方々は何故この音を、この和音を、このリズムを曲のそこここに配置し美しい曲を作っていったか。
偉大な演奏家達は、なぜ演奏記号が何も書いていない楽譜から美しい演奏表現を作れるのか。
それを理解する事は凡人の自分にはとても不可能だと思っていた、人生の「夢」と呼ぶべき目標でしたが、少しでもそれがわかるかもしれない可能性を今回感じました。
本当に音楽を学び、楽しんできて良かったと思います。
講師と言う立場ではありますが、これでようやくどなたかに一度バッハをギターで習う、という意欲が湧いてきました。
次はBWV1000のフーガ。
気持ちを新たに精進してまいります。
以下、追記として今回のアナリーゼ発表において参考にした資料を記します。
完全な分類には至りませんが、その資料がどういう点で役に立ったか出来る範囲でご紹介します。
【参考資料】
〇原曲譜、編曲譜
・Johann Sebastian Bach The Solo Lute Works/FRANk KOONCE
バッハのお弟子さんのアグリーコラの手稿譜なども掲載されており、ギター譜の注釈も緻密で豊富。
今回はそれを元に自分用の楽譜を作成した。
響きを重視した音の省略や上下オクターブの移動、など非常に参考になった。
運指なども丁寧に書いてあり、セーハも何弦までセーハするか示されており楽譜として質が高く、実用的。
解説は英語。
・ギターのためのバッハ・リュート作品全集 新バッハ全集準拠/現代ギター社
原譜の形式を出来るだけ損なわないよう、曲によってはギター演奏に於いて弾きやすい調に移調している。
この作品集の冒頭にも書いてあるが、原典版と実用版の中間に位置するもの。
運指などは書いておらず、原典版に近いこの作品集と実用的な曲集を見比べ、「ここは音の配置を原典版に近づけようかな」と自分なりの
実用譜を作るのに役立てるのが正しい使い方だろう。
そう言ったことがしたいけれども手稿譜を見たり、移調したりが大変だと感じる方には有用。
・JOHANN SEBASTIAN BACH Works for Lute/水戸茂雄編
原曲はリュートの曲であるためリュート用の楽譜を1冊持っておこうと思い購入。
調律、記号表、運指表など書いてあり、参考になった。
リュートの楽譜なので5線譜はピアノと同じ上段ト音記号、下段ヘ音記号。
タブラチュアもついており、5線譜と見比べてタブラチュアの読み方もなんとなく勉強した。
〇分析用資料/音楽理論・和声
・和声 理論と実習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ/音楽之友社
音楽理論教則本として多くの日本の音楽大学で採用されている和声教本。
基礎から学べるが「勉強するぞ」という姿勢が必要。
興味があったらⅠ(20年前購入当時、定価2,800円+税)だけまず購入するのが良いかも。
・和声と楽式のアナリーゼ=バイエルからソナタアルバムまで=/島岡 譲著/音楽之友社
様々な作曲家の曲を例に挙げられ、それを元に和声や音楽形式(ソナタ形式、ロンド形式など)が学べる。
シ、ツといった非和声音の記号はこちらを参考にした。
読みやすい、探しやすいので和声で疑問があるとこちらをまず開いてしまう。
定価2,000円+税は内容に対してお得だと思う。
〇分析用資料/音楽理論・対位法
対位法は今回もテーマに挙げた「部分動機」を探すのに役に立つ。
学習が少し進むとかなり難しいが、
2声体での
全音符 対 2分音符
全音符 対 4分音符
全音符 対 2,4,8分音符
といった範囲までならばそこまで苦労しないと思う。
そして、そこまででも曲中の部分動機を探すことは可能だと思う。
更に2重対位法(転回対位法)までできたら尚良い。
曲としての美しさを求めず、ルールに則って音を配置するだけなら、独学でもそこまでは比較的短期間で進めると思う。
・厳格対位法【第2版】/山口博史/音楽之友社
現在これで対位法を勉強中。
まだ学習中なので何とも言えないが、わかりやすい。
・名曲で学ぶ対位法 書法から作編曲まで/柳田 孝義/音楽之友社
対位法を学びたいと考え、どれを選べば良いかわからず、まずこれを購入。
対位法は和声法より難しいというイメージだったが、読んでみて「ちょっとやってみようかな」と試したら面白くて数時間経っていた。
今は上記の厳格対位法を中心に学んでいるが、この教本には、楽しんで対位法の入口を通る事が出来たという点で非常に感謝している。
ベートーヴェン、ブラームス、ワーグナーなど、古典以降の曲の中から対位法的な部分を示したりと言った視点も有意義。
※フックスの古典対位法も読んでいるが、読み物として既に学んだ箇所を師匠と弟子がどうやり取りしているかを楽しんでいる。
〇アナリーゼ教本
数が多いのでコメントは控える。
そのどれもが充実した内容で、何度も繰り返し読むべきもの。
各著者それぞれの視点があり、それらを読み比べる事が非常に勉強になった。
・アナリーゼの技法 バッハ/インヴェンション /鵜崎 庚一/Gakken
・バッハ インヴェンション 分析と演奏の手引き/小鍛冶邦隆/ショパン
・バッハ シンフォニア 分析と演奏の手引き//小鍛冶邦隆/ショパン
・バッハ「平均律」解読≪平均律クラヴィーア曲集第1巻≫全24曲/小鍛冶邦隆/ARTES
・バッハ演奏法と解釈/ピアニストのためのバッハ/パウル・バドゥーラ・スコダ/全音楽譜出版
・バッハ平均律クラヴィーア曲集Ⅰ 解釈と演奏法 2012年部分改訂/市田 儀一郎/音楽之友社
・バッハ 平均律クラヴィーア曲集 第1巻 演奏のための分析ノート1、2/土田英介/音楽之友社
今回の分析譜の形式はこの土田氏の著書に大きく影響を受けました。
感謝と共にそれを記しておきます。
〇リズム
・フランス宮廷の華バロック・ダンスへの招待[DVD]―舞曲のルーツをさぐる/浜中 康子/音楽之友社
舞踏と言う視点から舞曲のリズム、形式やその歴史が学べる。
バッハの組曲に収められた器楽的舞曲は舞踏的舞曲とはリズムが異なる事も多い。
しかし、ベースとなる部分を学ぶ事が出来た意義は大きいと感じた。
・J.S.バッハ 6つのパルティータ/市田儀一郎 編・解説/全音楽譜出版
・J.S.バッハ フランス組曲/市田儀一郎 編・解説/全音楽譜出版
ピアノ演奏用の実用譜。
同著者の「平均律クラヴィーア曲集Ⅰ 解釈と演奏法」が非常に勉強になったためサラバンドが収められているこの組曲の解説が読みたくて購入。
解説は多いとは言えないが、バッハの器楽的舞曲のリズムの特徴が把握でき、参考になった。
今後別の舞曲を弾く時にも重宝するだろう。
〇音楽修辞学
・MUSICA POETICA/ Dietrich Bartel/NEBRASKA
英語で書かれたドイツバロックに焦点を当てた音楽修辞学の本。
まだ半分しか自動翻訳して読んでいないが、音の裏にある意味とでも言おうか、そう言ったことを少しずつ学んでいる。
形而上学や〇〇主義といった内容も多く出てくるので、難しい。
5年くらいかけて書いてあることの半分が理解できれば良いかな、くらいの気持ちで読まないと多分辛い。
今回の緑の矢印の参考になった。
また、ドイツバロック音楽についてかなり深く学べる。
ルターを調べ出したのもこの本を読んだため。
以上、直接的に参考にした資料を掲載いたしました。
他にも感銘を受けた演奏家の、バッハの演奏なども大きく影響はありましたが、そこまで書くとどんどん拡大してしまうため控えます。
最後にこれから学ばなければいけない分野、装飾音。
今回の演奏は装飾音の学習が間に合わなかったのが、繰り返しをしていない大きな理由となります。
これから学ぶものの参考書籍を書くのもどうかと思いますが、取りあえず以下に記します。
〇装飾音
・バッハ演奏法と解釈/ピアニストのためのバッハ/パウル・バドゥーラ・スコダ/全音楽譜出版
・バッハ平均律クラヴィーア曲集Ⅰ 解釈と演奏法 2012年部分改訂/市田 儀一郎
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