結果はホールでの実験次第

倍音・共鳴音の説明をネットで公開する事を延期しましたが、徐々に進めております。
共鳴音と倍音は深く関連しているのですが、演奏での処理の都合上、分けて資料を作っております。
まだ途中ですが倍音の資料はこんな感じ。
ワード.png
恐らく倍音の資料はA4で5枚くらいになりそうです。
他に特定の音の倍音列譜表も既にできております。

実は資料は必要なく、小学6年生にも倍音についてお伝えしており、それはある程度成功しています。
しかし、内容を細かく知りたいという方も中にはいるかと思います。
そのための資料です。
いや居ないかもしれませんが自分の勉強用に作っている所もあります。

ただ、きちんと説明すると
音とは何か
倍音とは何か
音律とは
平均律の音から発生する自然倍音の周波数。その音と、ほぼ同じ音程にあたる平均律の音の周波数の差。
といった事も説明する必要を感じ、細かく数字を出したり、どう説明したらわかりやすいか頭を絞っております。

生徒さんも倍音に興味を持って下さり、医療系のお仕事をされている方が「ハイパーソニックエフェクト」という人間の可聴域を超えた周波数に関する資料を下さったり非常に感謝しております。
大変勉強になりました。
ありがとうございます。

そういった生徒さんのご協力もあって進めているのですが、問題点もあります。
短3度の和音を低音域で弾くと低い音の第3倍音が音程として聞こえてしまったり、
弾く弦以外消音して低音を弾くと基音以外にオクターブ関係でない倍音を音程として認識してしまう。
酷い時は基音以外に2つの音程を認識してしまう。

これが現在の悩みで、対処法もあるのですが、この先それが更に増えるならば手に負えなくなる気がします。
音域的に恐らく大丈夫だとは思いますが。

私は音楽的な聴力は高くありません。
それがもっと優れた方はどう対処しているのだろう、と気になっています。

あとは音楽ホールのような音響環境の良い場所で演奏するならば、基音から発生する倍音の音程はあまり気にならず、「音色」を構成する一要素に過ぎなくなるのではないか。
そんな仮説も立てました。
そのうち平日昼間にホールを借りて実験して来ようかと思います。
実験用の簡単な曲も作る予定で今日から着手します。

そういった、いくつかの実験をしなければいけないため、倍音共鳴音の資料の完成はもう少し先になります。
ホールの実験結果次第でどう転ぶかわからない状況です。
まずはホールの予約をしなければいけないのですが、都合の良い日が空いていると良いですが。


さて、ここから少し話題が変わります。
先日、6月9日に催されたジュニアギターコンクール 高校生の部においてうちの生徒さんが2位に入賞しました。
おめでとうございます。
今年は高校受験もあり、そちらに集中するため6月のジュニアギターコンクールは見送った方が良いのではないか、と話し合ったのですが、ご本人の意向で参加する事に。

やはり、受験勉強は大変。
レッスンが途切れた時期もありましたが、曲もある程度形になり、入賞出来てなによりでした。

曲はLuigi Legnani(ルイジ・レニャーニ)のFantasia Op.19。

技巧的で活気があり、ロマン派らしい歌い方の似合う美しい曲です
度々現れる休符につくフェルマータ。
それにより必要とされる適切な間の取り方。

序曲後のイ長調、主題提示部は異なった音域で3回繰り返される主題から始まる。
各音域でスラーの位置を変える。
すると同じ主題なのにアーティキュレーション(ざっくり言うと歌い方)が変化して聞こえる作曲的工夫。
ここ凄い好きです。

作曲的意図を持ったアクセントのズレ。
※そちらに引っ張られると聞く人が拍感がわからなくなり混乱するので、特に1拍目をしっかり把握して弾かなければいけない。

緊張と緩和を上手く繰り返す和声感。
そのあたりに面白さを感じました。

例の如くアナリーゼを元に演奏を作っていきましたが、果たしてこれで良いのか、と常に自分を疑いながらの作業でした。
ファンタジア.png
彼には結局見せませんでしたが、言語化する事で見えてくるものも多いので、このように分析を書いたりもしました。
自分のせいで他人が悲しむかも知れない、その可能性がある以上用心に越したことはありません。
自分を疑い、省みての繰り返しでした。
5月25日のサラバンドアナリーゼ発表は、例え評価されなくてもそれは自分の責任において行い、自分が受ける結果なので良いのですが。

彼の努力と勇気、ご家族のサポートに寄って得られた入賞ですが、少しだけ関わった私にとっても、非常に嬉しい出来事でした。
※このような内容をブログに書いても良いでしょうか、と下書きをお母様にお送りした所、以下のような内容の返信を頂きました。
『「少しだけ関わった」などと遠慮気味ではなく、先生のご尽力のおかげである事も,もっと皆様にお伝えして欲しく思います。』

仕事として責務を果たすという意味で努力はしましたし、時間外の労力も費やしましたが、やはりご本人やご家族の努力に比べれば微々たるもの。
お気持ちだけ有難く頂戴します。

正直レッスン回数が足りず、お伝えできていない部分もあるため、これからまたそれらをお伝えできればと思います。
お疲れさまでした。

改めて入賞おめでとうございます。



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